文禄・慶長の役(1592~98年)で朝鮮水軍を率いて豊臣軍と戦った将軍、李舜臣(イ・スンシン)を主役にした映画「鳴梁(めいりょう)」が韓国で空前の大ヒットを記録している。韓国映画としては初めて観客動員数1700万人を突破。人気の理由は「反日色」の強さだが、戦果を過大に膨らませ「朝鮮大勝利」としたり、謎のSF兵器が登場したりと驚きの内容になっている。監督は「日本人は歴史についてあまり知らない。この作品は日本の観衆が歴史を知ることの手助けになると思う」と自信たっぷりに言い放ったが、あまりの歴史の創造ぶりが裏目に出て、悪役にされた将軍のライバルの子孫から名誉毀損(きそん)で訴えられてしまった。 これは歴史活劇かファンタジーか 映画は、李舜臣がたった12隻の船で330隻に及ぶ倭軍(日本)の攻撃に立ち向かい戦った鳴梁海戦を描いた-というものだが、歴史的事実を反映しているかとなると大きな疑問符がつく。