2018年度、杉本昌隆の戦果にどれほど心を揺さぶられたことだろう。 齢50にして、B級2組昇級の偉業ーー。 杉本を突き動かした原動力は、「うらやましい」という勝負師の本能だった。 将棋ブームの火付け役となった藤井聡太の“師匠”。 テレビのワイドショーやニュース番組で愛弟子の活躍を語る、優しくてちょっと自虐的な杉本の顔は、将棋界を超えて知れ渡る存在となった。 しかし、明らかにそれとは違うのだ。 勝利への渇望を吐露する杉本の目は、ぎらりと光るのだ。 まるで子どものように夢中で互いに切磋琢磨を続ける三浦弘行、戦友・畠山鎮。 もう盤を挟むことのない永遠のライバル・村山聖。 そして、自らの門徒ながらまだその全ぼうも描くことの出来ない巨星・藤井聡太ーー。 棋士として。師匠として。 杉本の歩んだ道のりと、手にする明日への地図の一片をのぞいてみたい。撮影/MEGUMI 取材・文/伊藤靖子(スポニチ) 「棋
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