NHKは映像と音声に加え、触感を伝えるテレビを実現する一歩として、仮想の物体に触れた感覚を人に与える装置(「視覚障害者向けマルチモーダル提示システム」の一部)を試作した。力覚提示する複数の専用装置を統合制御することで、物体に触れているかのような感覚を指先と手のひらにもたらす。また、仮想物体表面と指先の距離に応じた“引力”も感じさせることで、目に見えない仮想物体に手を近づけさせる仕組みも備える。視覚障害者のテレビ視聴支援や、実際には触れられない美術品の質感を確かめながらの鑑賞などに応用できる。 NHK放送技術研究所が装置を試作した。力覚提示をする専用装置はワイヤやモータ、センサなどから構成。試作機は専用装置を4台組み合わせた。各装置のワイヤを親指と人指し指、中指、手のひらに取り付けて使用する。 まず物体の形状や表面の状態などの情報を3次元スキャナなどで取得し、パソコンで3次元の仮想物体を作成