2022年11月24日の朝日新聞に掲載された「新興宗教と女性」と題した時評で、東京大学大学院の林香里教授はこの年の夏から注目されだした「宗教2世問題」にジェンダーの視点をとりいれて論じた。宗教2世をテーマにした菊池真理子さんのマンガを読んだ林さんは、まず次のようなことに気づく。 「それは、ほとんどの場合、母親が信仰を主導し、子どもたちに強引に活動に参加させていることだ。父親はいないか、見て見ぬふりをするか、アルコール依存症の者もいた。」 そしてこう続ける。「統計的な把握は難しいが、菊池の描く漫画を通して、一部のいわゆる新興宗教団体は、日本の女性たちの生きづらさの受け皿になりながら、彼女たちを巧妙に利用していると感じる。」 このあとは論壇時評として数冊の本の内容を紹介しつつ論がすすめられるが、その内容をまとめると次のようになる。いわく、日本社会にはいまだ構造的なジェンダー不平等が存在しており
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