1999年の春、海岸通の古いビルに物作りをする為のアトリエとして1部屋借りる事にした。そのアトリエのいつもの席の窓越しには黄色の壁のへんてこな一軒家があった。気にすらとめていなかったのに、ある日からその場所で店ができたらいいなと思うようになり、余裕もなくいろいろな意味で不安もあったが、神戸の中でも一番神戸らしい海岸通でやっていく意味を強く感じて、ある覚悟の下、その場所に店を開いた。 思えば8年。今、いつもの席の窓越しには「ハオス」が見える。 震災前、海岸通には大正・昭和初期に建てられたであろう魅力的なビルがたくさん存在していたが、震災後はその内の大半が取り壊されて新しいビルに建て替えられていった。なぜ神戸市は昔の良い文化を残す努力をもっとしなかったのか? 仕事柄ヨーロッパをよく廻っているからか、ヨーロッパの文化が大好きだ。「古き良きもの」を守ろうという風習がある。ヨーロッパのカ