2022年11月2日のブックマーク (1件)

  • きみがいない未来と、パンサラッサのこと - 2022年・天皇賞(秋)

    2022年の天皇賞・秋、パンサラッサは見事な大逃げを打った。ハイペースを刻んで1000メートル通過は57秒4。ずっと先頭を守って、守って、最後は差された。あふれんばかりの生命力をもって、元気よく走り切った。 私は「パンサラッサ命なら、残り100メートルまでは絶対に楽しめるからね、アハハ」という職場のおやじを思い出していた。このおやじ、馬券はろくに当たらないが純粋に競馬が面白くてたまらないとみえる。秋の天皇賞では35年前のニッポーテイオーから逃げ馬の戴冠はお預けで、東京での逃げは一苦労であろうが、このおやじにそんなことは知ったこっちゃないようだ。それが嬉しくて、パンサラッサ好きに悪い人はいないね、と言ったら、おやじはまんざらでもなさそうに皺くちゃになってはにかんだ。 実におやじの目論み通りだった。100メートルどころか、最後まで夢を見た。35年の沈黙を押し破るあと一歩のところまできていた。

    きみがいない未来と、パンサラッサのこと - 2022年・天皇賞(秋)