今まで、ほとんどをアイリッシュ・ミュージックについて書いてきたが、自分のひとつの歴史であるブルーグラスについてすこし書いてみよう。 バンジョーという楽器を始めたのはフォークソングからだった。1964年か65年くらいだったと思う。 ピアレスという日本製のバンジョーは確か15000円くらいで、当時としては目の玉が飛び出るくらいの値段だった。他にナルダンという会社のものもあって、12000円くらいだった記憶がある。 ピアレスのほうが、音にメリハリがあるような気がして、そちらを選んだのだと思う。なんといってもバンジョーなる楽器にそうそうお目にかかれる時代ではなかっただけに、よくは分からなかったのだが。 とにかくブラザース・フォアをお手本にしてポロポロと弾いていたが、幾つかの彼らのレコーディングで衝撃的な音を聴いた。 ダーリン・コリーという曲でイントロからずっと流れているバンジョーは明らかに違ってい