決してスポーツを冒涜しているわけではありません。「スポーツ観戦」というものを、熱心なファン以外の人たちも丸1日、楽しめるような総合的なイベントとしてとらえてみることが大切だと申し上げているのです。実際にアメリカでは、それまでスポーツでしかなかった産業を「客目線のおもてなし産業」に変えたことで、60兆円という、自動車産業を上回る規模に成長させたのです。 ラスベガスもいい例のひとつです。カジノだけではなく、芝居、コンサート、そしてさまざまなレストランがあります。私はギャンブルはやりませんが、エンターテインメントを鑑賞するためにラスベガスを訪れた経験があります。 このような話をすると決まって、「そんな風に、試合に興味のない客が多くなってもファンは困るだけだ。今のままでいい」という方がいます。観光も同様で、「日本のことをよく理解していない外国人が多く押しかけても、観光地が混雑して迷惑なだけだ」とよ