アカネアワビと言われても、食べたことはもとより、聞いたこともないという人が多いかもしれない。このアワビは米カリフォルニア州北部に多く生息する巻貝の仲間で、岩にくっついてケルプ(海藻)を食べている。食材としても人気で、ホタテにも似た甘みのある繊細な味わいと言われる。(参考記事:「海藻は「温暖化対策のカリスマ」、最新研究」) 「食べたら、その美味に驚きますよ。魚は好きでないという人が口にしたとき、目を輝かせて『すごくおいしい』というのですから」。サンフランシスコの少し北に住むダイビング愛好家、ジョー・クレサリア氏はそう話す。「口に運ぶのもおそるおそるだったのに」 しかし、海洋熱波、海水の酸性化、生息地の喪失、乱獲などが原因で、アカネアワビの漁場は減少している。このままでは、アカネアワビは食料源であるケルプの森を永久に失ってしまうかもしれない。(参考記事:「海のシステムを支える生き物たち」) 「