米疾病対策センター(CDC)は今月、新型コロナウイルスによる米国の死者について、このウイルスのみが原因の死者は全体の6%だと発表した。このデータにソーシャルメディアは一時騒然とし、なかには、新型コロナによる米国の実際の死者は、報告されている16万9000人(編集注、記事執筆時点)のごく一部にすぎないと早合点する人もいた。 そうした見方は誤りだが、今回のデータが、不健康が病気による死亡リスクを高めているという米国の現状をあらたて浮き彫りにしたのも確かだ。 CDCの9月2日の発表によると、残り94%の死者は糖尿病や心疾患、肥満といった「併存疾患」を抱えていた。そのためネット上では、新型コロナによる米国の実際の死者は1万人程度にすぎず、全米規模の経済や社会、教育のロックダウン(閉鎖措置)は不必要だったとする声も上がった。 だが、じつのところ、医師による死亡報告では複数の死亡原因が記載されるのが普