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2016年5月23日のブックマーク (2件)

  • 自殺は数ある選択肢の一つではない - 関内関外日記

    自殺は数ある選択肢の一つではない。 たった一つ自分に課せられた必然である。 牧通りを歩いていた。不動産屋の前に警察官が六人、七人、いや、八人はいただろうか。このあたりでは珍しい光景ではない。 いつの間にか同じ場所の店が三つも変わった。前の二つの店主はどこに行ったのだろう? そこで働いていた人はどこに行ったのだろう。この世ではないどこかにいったのだろう。 ダートに戻ったところでバンズームは勝つことができなかった。先週も今週も中山の芝はタイキシャトルと決めていたのだから、素直にストレイトガールから行けば、サクラプレジデントの子にも手が回ったのだから当てることができたのに、おれの手元にあるのは香港馬の馬券だった。紙の馬券ではないが。桜木町の場外で働いていた人たちはどこに行ったのだろう。 試供品のメンソール煙草を窓の外に吐き出して思う。向かいの汚いアパートにはどのような人間が何年住んでいるのだろ

    自殺は数ある選択肢の一つではない - 関内関外日記
  • やがて銀河とともに西へ行く - 関内関外日記

    秋も深まってきた。衣替えの必要があった。おれは魂の色をしていて、相変わらず金がなかった。自転車のブレーキは絞め殺されるイヌの鳴き声に似ておれを不愉快にさせた。誰も知らない夜のテーブルでささやかな飲み会が開催された。三者一致でおれに死刑判決を下した。いつ執行されるのかは知らない。いくつかの齟齬があってここにいる。決定的な間違いがあってこの底辺にいる。決定的な失敗でおれはできている。悲しみの底には沈まない。悲しみはいつもここにあっておれを包んでいる。おれには悲しみをなにかに喩える気力すら残っていない。おれの電池はもう切れかかっている。充電などできない、使い捨ての電池。きっと百円ショップで買ったのだろう。そういう人間を生み出す、失敗の配合が許される世紀がかつてあった。これから生まれてくるものは、すべて救われたものである。そこには失敗も存在しないし、なにより貧困は存在しない。もし、仮に存在するとし

    やがて銀河とともに西へ行く - 関内関外日記