運動会の季節を控え、「体育の家庭教師」が忙しい。子どもからは「リレーの選手に」との熱望から、「ドベにはなりたくない」という切実な願いまで期待は大きい。教えるメニューは、体を動かすことなら何でもありだ。 9月中旬の平日の夕方、岐阜県関市の小学1年、平田睦実君(7)は自宅前で、インストラクターの近藤光敏さん(23)から「タッチされたら駄目だよ」と声をかけられた。始めたのは、鬼ごっこ。実はかけっこの練習だ。近藤さんは「まずは、走る楽しさを知ってもらいたい」と言う。レッスンは1時間。最後は短距離走で締めくくった。睦実君は「疲れたけれど、走れて楽しかった」とはにかんだ。 睦実君は運動会を25日に控えている。目標は「30メートル走」を走りきることだ。母親の久美子さん(37)は「自分だけできないと劣等感を持つのではないかと不安。やり遂げて自信にしてほしい」と話す。 睦実君は3歳で家庭教師に習い始め