集団面接の練習に臨む3年生。「手は軽く握って」「肩の力は抜いて」と教師の細かいチェックが入る=奈良県王寺町の王寺工業高 2008年秋のリーマン・ショック以来の不況にもかかわらず、ここ数年、就職率100%を誇る高校がある。奈良県立王寺工業高校(王寺町本町3丁目)だ。大手企業からも毎年のように求人票が来るという人気の理由を探った。 「失礼します」「もっと声出るやろ!」。今月初旬、校舎内から教師と生徒のやりとりが聞こえた。1週間、連日続いた面接の練習だ。 生徒たちは志望動機はすらすらと言えたが、予想外の質問に急に声が小さくなることも。「そこはちゃんと調べときや」。教師の指摘を受け、弱点をつぶしていく。緊張感を出すため、校長や教頭が面接官を務めることも。「期待してもらっている分、いい人材を送り込むため総力を挙げてます」と進路指導部の岡本哲至教諭(49)。 来春卒業予定の206人のうち163