「主文、被告(国)は原告に対し、3万3000円(中略)を支払え」裁判長がこう述べた瞬間、木村真 豊中市議は思わず原告席でガッツポーズを見せた。普通の民事裁判なら判決は主文の読み上げですぐに終わる。ところが裁判長は「本件事案の性質に鑑み、理由の一部を述べます」と告げて要旨の読み上げを始めた。その内容を聞くうちに、木村さんの表情が曇っていった。 判決が終わり、法廷から出てきた木村さんに私は話しかけた。 「木村さん、この判決をどう受けとめます?」 「一応、一部は勝ったけどね。こんな中途半端な判決、納得できないよ」 そして裁判所前に集まった支援者たちに対し、用意していた「勝訴」と「不当判決」、両方の垂れ幕を掲げた。 横断幕を掲げ地裁に入る木村さんと支援者(筆者撮影)森友事件追及の発端となった裁判の判決は… 森友学園への国有地の大幅値引き売却をめぐり、国が当初、売却額を開示しなかったのは違法だとして