みなもと太郎先生が逝去された。 8月7日午前2時。入院中の病院で亡くなったと奥様からご連絡があった。昨年来、先生は肺がんの療養のため入退院を繰り返す生活を送られていたが、『風雲児たち』の連載再開を目指して前向きに病と向き合われていた。病状は深刻なものだったけれどお会いする度にお元気で、本当にこのまま全快してしまうのではないかと私は思っていた。亡くなられた当日も、朝には売店で新聞を買い、夕方にはコンビニで夜食を買い、夜にはご家族とLINEで楽しくやりとりされるなど本当に普段どおり過ごされ、深夜に息を引き取ることになるとは、奥様にも思いもよらなかったそうだ。「本人も、いつも通り眠ったものだと思ったのではないでしょうか」とおっしゃっていた。 翌8日、先生にお会いしてきた。ながやす巧先生が描いた似顔絵が仏壇にあった。どうにも言葉が出ず、まともなお悔やみも言えぬまま帰ってきてしまった気がする。どうぞ
/////単行本絶賛発売中///// 【この「奈良へ」という作品を読んでまず思ったのは、これは途轍もない傑作だ、ということで、私は読後、暫くの間、虚脱していた。(町田康)】 古都・奈良。三つの世界遺産を擁する日本を代表する観光地。 売れない漫画家、マイルドヤンキー、パンクス、やる気のない野球部員、冒険のパーティーからそこはかとなくハブられている航海士、街頭で奈良の崩壊を訴える謎の男……名所旧跡で繰り広げられる若者たちの群像劇は、やがて人間の業を深々とえぐり出し、世界の虚を暴き出す衝撃の展開へーー 「トーチweb」連載時から話題騒然! 若き無頼派が到達した〝リアリズム漫画〟の最前線 🦌大山海自家製の「豆皿」「マグカップ」販売中
13才の若さで「ちばてつや賞」を受賞するも、ほどなく精神科病院に入院。 「人生もう終わりだ」から始まった苦難の半生を、深い絶望と沢山のユーモアで綴る実録漫画。 ★『みちくさ日記』『よりみち日記』『よりみち日記2』三部作を完全収録した「完本」8月24日発売! ★「完本」刊行に応援メッセージがぞくぞく! 阿部大樹さん(精神科医) 大橋裕之さん(漫画家) 曽我部恵一さん(ミュージシャン) 西崎憲さん(小説家/翻訳家/作曲家) 野中モモさん(翻訳家/ライター) 濱口竜介さん(映画監督) 古川耕さん(放送作家) 燃え殻さん(作家) 矢部太郎さん(芸人/漫画家) 吉本ばななさん(小説家) ライムスター宇多丸さん(ラッパー/ラジオパーソナリティ)
高浜寛さんの『ニュクスの角灯』が第50話をもって最終回を迎えました。掲載誌の「コミック乱」2019年8月号は現在、書店やコンビニなどで絶賛発売中なのでぜひお手にとってみてください。単行本で読む派の方は、最終話収録の第6巻が8月27日に発売されますので楽しみにお待ちください。 同作は1944年の熊本の空襲の場面から始まり、1878~79年の長崎とパリでの出来事が描かれ、最終話で再び1945年に戻りラストシーンに至ります。私がこの結末を知ったのは4年半前になります。連載開始前に高浜さんが送ってくれた全体の構成案に今回の最終話の構想がすでに書かれていました。同作の雰囲気を基礎づけるベル・エポックの華やかさと対照的な、結末の重厚さというか、現代を生きる私たちへ鋭く問いかける内容にとても驚きました。 連載が始まる前は全18話、単行本で全2巻の予定でした。ただ、人気が出てそれ以上に長くなるケースもあら
高浜寛が語る「熊本地震 前編」(2016年5月2日公開記事) 写真・絵:高浜寛/文・構成:トーチweb編集部 ■2016年4月14日(木)21時26分 熊本県で震度7 最初の地震の時は、近所の公園で鉄棒の上を歩いていました。パルクールの練習をしてたんですね。綱渡りをしたり、着地の瞬間に前転をして衝撃を逃す……みたいなことを夜中にこっそり練習してたんです。鉄棒の上を歩いていて「よし、おしまい」と思って、着地した時にすごい揺れが来ました。それとほとんど同時に、空が稲妻が走ったみたいに光るのを見ました。青白い感じで、バッって。 そのまま公園の中央の、高いものが倒れてこないところまで走って行って、その場にいたホームレスのおじいさんと「なんだなんだ」って話してたんですけど、その人「俺、大阪から来たんだけどこんなのは初めてだ」って言ってて、テンパリすぎてすごい笑ってました。そのうち、何人かの友人から「
電話・睡眠・死都・調布(特別対談・前編) 取材・文=松永良平 夏の終わりに、こんなツイートをした。 〈斎藤潤一郎『死都調布』や、来月出る川勝徳重『電話・睡眠・音楽』といったコミックについて、音楽メディアで取材したり、記事が書けたりしたらいいし、やってみたいなあ。〉 誰に向けたわけでもない、思いあまったライターの自爆ツイートのはずだったのに、不思議なもので、トーチ編集部からすぐに「ふたり(斎藤・川勝)の対談をしませんか?」というご依頼が届いた。マジですか! そもそも『死都調布』を描いた斎藤潤一郎という漫画家は、多くの読者にとってまったく謎の人だろう。トーチwebに連載をしていたわけだし、ツイッターのアカウントもあるし、雑誌『架空』で作品を発表したり、表紙を描いたりしていた。こないだは銀座の蔦屋書店で『死都調布』の原画展だってあったではないか。しかし、ハードボイルドでジャンクかつ猛烈にインディ
電話・睡眠・死都・調布(特別対談・後編) 取材・文=松永良平 ──後半は、川勝さんの話をしていきましょうか。ここまでは斎藤さんのファンであり、漫画雑誌『架空』『蝸牛』の編集者としての立場からの発言も多かったですけど、もちろん自身も漫画家です。そして、一般流通の単行本としては初となる作品集『電話・睡眠・音楽』発売のタイミングでもあり。 もともと僕は川勝さんの名前を、小西康陽さんを通じて知りました。小西さんがピチカート・ワン名義でリリースしたセカンド・アルバム『わたくしの二十世紀』(2016年4月)がLPレコードになる際に、もともとCDでは写真だった雪景色を油絵に描き換えたのが川勝さん。その後、クラブやライヴハウスでばったり会う機会も多かった。知り合ってみると、歳も若いし、描いている漫画も一筋縄ではとてもいかないものだったので、さらに驚いて興味を持って。まずは、そもそも漫画を好きになって、漫画
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く