毎回、東京のある街をテーマに物語が展開する長谷川町蔵の人気シリーズ「インナー・シティ・ブルース」のシーズン3。銀座を本拠地に、ディストピア感が増す東京を東へ西へ行き来しながら繰り広げられる、変種のハードボイルド探偵小説をご堪能ください! 【あらすじ】主人公・町尾回郎(まちお・まわろう)はアラサーのフリーター。銀座の外れにあるバー「アルゴンキン」での過去のツケ返済のため、自分と同じ立場の奴らからツケを回収する仕事を引き受けている。今回の標的は、人気政治家の武山順太郎。早速連絡をとると、武山はあっさり未収金を全額現金で支払う。しかしその後、武山は麻布狸穴町にある古いマンションの地上げについてマワローに話し始め、事態はより複雑に。解決のヒントはムード歌謡の名曲「別れても好きな人」の歌詞にあった───。 日曜、しかもまだ午後2時過ぎだというのに、赤羽の一番街に店舗を構える「立ち飲み なごみ本店」は