妊娠をめぐる自分の身体について誰かにちゃんと教えてもらえたことがなかった。 『フェミニスト現象学』(2020,ナカニシヤ出版)で宮原優さんが、”生理になると急に「妊娠できる身体になったのよ」と説明されるが、まともな性教育がないままにそんなこと言われても恐怖しか与えないのではないか”というようなことを書いていて、すごく納得した。例にもれず私のかつての教師たちも、生理という不条理をそのフレーズ一つで押し切ろうとしていた。その言葉の先はなにもなく、いつも尻切れていて、「自分は妊娠しようと思えばできるらしい」という情報だけがまったくなじまない抽象的な観念のようにふわふわ浮いていた。私はそのフレーズの意味するところをちゃんと知り、自分自身の言葉で捉え直すべきだった。しかしその機会は与えられず、その観念が自分の身と交わりませんようにという切なる願いだけが残った。 小学生から中学生にかけて、「あたしは子