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ブックマーク / note.com/kentarotakahash (15)

  • 映画『ボブ・マーリー:One Love』と「Redemption Song」の謎|kentarotakahashi

    ボブ・マーリーの伝記映画『One Love』を観てきた。 最初のうちはボブがイケメン過ぎて、カリスマ性や神秘性がが薄いなあと思いながら観ていたのだが、そこを含めて、リタ・マーリー・プロデュースの映画なのだと納得して映画館を出ることになった。エピソードの選び方も、ディテールの描き込みも、の視線を含んでいるからこその説得力が。 ボブも弱さを抱えた一人の男だった。主演のキングズリー・ベン=アデルがそこを上手く演じている。 回想シーンも切なくて良かった。幼さの残るボブとリタの恋。短髪のボブをリタがラスタの教えに導く。コクソンのオーディション・シーンも最高だった。トレンチタウンのユース・ミュージックがきらきら輝いていた時代の空気が感じられる。 ボブは少年っぽいが、長身のピーター・トッシュはもうラスタ・カラーの帽子をかぶり、ヤバそうな雰囲気を出している。実際、こんな感じだったんだろう。 メインとなる

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    kiku72 2024/06/17
  • ベニー・シングスやゴンザレスのこと。アメリカ人が作れなくなったアメリカン・ミュージックをヨーロッパで作る人達がいる(2008年1月)|kentarotakahashi

    ベニー・シングスやゴンザレスのこと。アメリカ人が作れなくなったアメリカン・ミュージックをヨーロッパで作る人達がいる(2008年1月) ハッピーで、粋な音楽がいい。年齢のせいもあるかもしれないが、近年、とみにそう思うようになった。 ベニー・シングズ。このもじゃもじゃ頭のオランダ人は、僕の中で今や、そんな音楽の筆頭だ。この2、3年、当に彼の音楽ばかり聞いている。どのくらい聞いているかというと、かつてハーバートの「アラウンド・ザ・ハウス」を聞いたのと同じくらい・・・なんて書いても自分以外には分からないか。 が、思えば「アラウンド・ザ・ハウス」(1998)と「ベニー・・・アット・ホーム」(2007)には大きな共通点がある。どちらも「我が家」をテーマにしたアルバム。それが愛聴盤になっている一つの理由かもしれない(実際、キッチンで聞くのに良い)。発表には10年近い開きがあるが、もしも、ベニー・シング

    ベニー・シングスやゴンザレスのこと。アメリカ人が作れなくなったアメリカン・ミュージックをヨーロッパで作る人達がいる(2008年1月)|kentarotakahashi
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    kiku72 2024/05/10
  • ジョニ・ミッチェルの『BLUE』|kentarotakahashi

    Blue』は地味なアルバムだと思っていた年月が長かった。初めて聴いたジョニ・ミッチェルのアルバムは『Ladies Of The Cannyon』。高校入学したばかりの15歳の時だった。衝撃だった。こんな曲作り、こんな歌い方がこの世にあるのだと思ったし、ローレル・キャニオンの一軒家で暮らすジョニとグラハム・ナッシュに強烈な憧れも抱いた。ジョニのような才気溢れる女性の傍らで、グラハム・ナッシュみたいに軽いボケをかます男になるのが理想と思ったりした。いや、これは今でも変わってないかもしれない。 そんな『Ladies Of The Cannyon』の世界に比べて、次作となる1971年の『Blue』は入り込みにくかった。1972年の『For The Roses』になると、ジャズへの接近が始まり、ジョニのミュージカル・ジャーニーは起伏に富んでいくが、『Blue』はフォーク時代の最後の暗いアルバム。そ

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    kiku72 2024/03/25
  • 映画『エリス&トム』と「三月の水」のベースライン|kentarotakahashi

    渋谷ユーロスペースでブラジル映画祭。『エリス&トム』を観てきた。天才二人がオフで好きな歌を歌ってるシーンとか、気絶しそうなくらい良かった。ブラジル音楽の好きな人は必見だ。 ただ、字幕は酷かった。エンジニアのフンベルト・ガティカが今の音楽はコンプレッションが強くて、と眼前に手をかざして説明してるのに、「今の音楽は要約されている」とか。果ては「三月の雨」というのが二回も出てきた。ブラジル大使館も絡んだ日語版の上映で、誰も気が付かなかったのだろうか。 ジョビンが1970年代になって書いた「三月の水〜Águas de Março」は、映画中でも最も重要な曲である。ただ、「三月の水」は冒頭からエンディングまで何度も流れるものの、レコーディング時の具体的なエピソードは一つも出てこなかった。 実は、とある原稿書くために、この曲に関して、最近、研究していたところだった。映画を観たら、ぶわ〜っと思うところ

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    kiku72 2024/03/12
  • ブルース・コバーンの『雪の世界』|kentarotakahashi

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    kiku72 2024/02/07
    “シンガー・ソングライターの大名盤”
  • 上念司との「レイシスト・フレンド」裁判で私が東京高裁に提出した陳述書|kentarotakahashi

    陳 述 書 東京高等裁判所 御中 高橋健太郎 2023年5月29日 1 私が音楽評論家となった経過とレイシズムについて 私は1970年代の終わり頃から音楽評論の仕事を続けています。 私にとって、音楽評論が職業として確立される大きなきっかけになったのは1982年にジャマイカに取材旅行したことでした。私はジャマイカのレゲエ音楽に強い興味を持っていました。そして、現地取材で専門的な知見を高めることで、多くのメディアから執筆依頼を受けるようになりました。 ジャマイカのレゲエは強いメッセージ性を持つ音楽で、そこでは奴隷制や植民地支配の苦難がしばしば歌われます。そういうレゲエを聴くことから、私も「レイシズム」というテーマに向き合うことになりました。 2 レゲエとレイシズムについて ジャマイカからの移民が多く住むイギリスでもレゲエは高い人気を持ちます。移民やイギリス生まれの移民二世によるバンドが、ブリテ

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    kiku72 2023/12/14
  • 上念司との「レイシスト・フレンド」裁判、一審判決の問題点 #2 レイシストは「人種差別主義者」なのか?|kentarotakahashi

    上念司との「レイシスト・フレンド」裁判、一審判決の問題点 #2 レイシストは「人種差別主義者」なのか? 上念司との「レイシスト・フレンド」裁判の控訴審が始まりました。次回日程は5月15日とされています。詳しくはツイッターなどでお知らせしていきます。 前回、書いたように、東京地裁での一審判決は思いもかけないものでした。そもそも私は上念司に対して、「レイシスト」という言葉を向けていません。私と藤原大輔は、現在の社会状況の中で音楽家の取るべき態度について、友人同士の話をしていただけです。 それでも、世の中には「レイシスト・フレンド」とは上念司を指す言葉だと読む人もいるかもしれません。そして、裁判では「仮に…であったとしても」というロジックがしばしば使われます。 私にとっての真実は、「レイシスト・フレンド」という曲についての会話において、私達の友人でもない上念司という人物は念頭に置かれていない、と

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    kiku72 2023/04/26
  • 上念司との「レイシスト・フレンド」裁判、一審判決の問題点〜小さなSLAP訴訟が言論の自由を揺るがし、反レイシズム運動を大きく後退させかねない裁判になった #1|kentarotakahashi

    上念司との「レイシスト・フレンド」裁判、一審判決の問題点〜小さなSLAP訴訟が言論の自由を揺るがし、反レイシズム運動を大きく後退させかねない裁判になった #1 経済評論家の上念司が私を訴えた名誉毀損訴訟で、2022年11月15日、東京地裁の藤澤裕介裁判長は私に対して、50万円の損害賠償を支払えとの判決を下しました。 この裁判は上念司が2020年1月に渋谷クラブクアトロで開催予定だった音楽祭が、出演予定のスガダイローのグループが出演キャンセルしたことから、中止となったことに関連して、それに関わるツイートをした高橋健太郎を訴えたものです。原告は150万円の損害賠償、当該ツイートの削除、謝罪広告の掲載などを求めました。 原告側の主張は以下のようなものになります。 1 被告がミュージシャン 藤原大輔を脅迫し、出演をキャンセルさせて、原告の楽祭を中止に追い込んだ 2 被告はスペシャルAKAの「Rai

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    kiku72 2023/01/31
  • 文化芸術活動の継続支援事業 フォームの入力例(無観客ライヴ配信系の人向け 新規 A-1 20万円以内)|kentarotakahashi

    補助形態 → 活動継続・技能向上等支援A-1 文化芸術の分野 → 音楽 [共同申請(小規模団体・個人事業者向け)]申請 又は予定 → なし 事業の名称 → コロナ後に向けた技能向上 事業の目的と活動内容(全体概要) → 無観客ライヴの音声録音、映像撮影の準備と品質向上、無観客ライヴ配信の実施 事業実施期間(開始)→ 2020年2月26日 事業実施期間(終了)→ 2021年2月28日 活動の継続・再開のための公演・制作方法の検討・準備・実施 ICT活動:活動内容 (選択) ◎技芸の研鑽のための自主稽古 ◎技能向上を目的としたリサーチ ◎活動再開のトライアル公演 ◎動画配信サイト等を通じた無観客等公演 ◎インターネットを活用した技芸の研鑽のための共同稽古 ◎活動の継続・再開のための公演・制作方法の検討・準備・実施 ICT活動:内容(自由入力)  → 動画配信の実施、技術向上、環境整備 活動の継

    文化芸術活動の継続支援事業 フォームの入力例(無観客ライヴ配信系の人向け 新規 A-1 20万円以内)|kentarotakahashi
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    kiku72 2020/12/09
  • ハース・マルチネスの『ハース・フロム・アース』 ~ Hirth From Earth - Hirth Martinez|kentarotakahashi

    2015年10月6日、ハース・マルチネスが死去した。あの名盤『ハース・フロム・アース』のハース…と書けば、一定数の人には話が通ずるはずである。1975年にロビー・ロバートソンのプロデュースで、ワーナーから発売されたそのアルバムは、こと日では伝説的な名盤として語り伝えられきた。1992年にCDリイシューされた後は、いわゆる渋谷系のミュージシャンに少なからぬ影響を与えてもいる。その人気を受けて、1998年には日のドリームズヴィル・レーベルでハースのカムバック・アルバムが制作され、以後、来日公演も二回行われた。 ただし、そうした再評価は日のみの出来事で、アメリカでのハース・マルチネスの知名度はゼロにも等しい。ウィキペディアにも項目がないくらいだから、当然ながら、追悼記事がメディアに載ることもなかった。あるいは、日でもハース・マルチネスとは何者だったのか?ということは、ほとんど知られぬ

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    kiku72 2018/05/23
  • ニルヴァーナ『イン・ユーテロ』20周年|kentarotakahashi

    海外のミュージシャンのインタヴューを読んでいると、トラブルをそこまで赤裸々に語ってしまうのか!と思うことが少なくない。日人ならば、公言するのを憚るような内部的なトラブルも、彼らは躊躇なく語る。バンド内の揉めごともアルバム制作が抱えた問題も。そして、時にそれは、リスナーを当惑させるものにもなる。 ニルヴァーナの『イン・ユーテロ』は、まさに、そんな当惑を伴ったアルバムだった。1993年9月に発表された三枚目のオリジナル・アルバムで、巨大なヒット作となった1991年の『ネヴァー・マインド』のフォローアップでありながら、まったく違う方向性のプロダクションに進んだ作品でもある。僕の場合は、『ネヴァー・マインド』に熱狂する友人達を醒めた目で見ていたのが、その『イン・ユーテロ』を聞いて、急激にニルヴァーナというバンドに興味を惹かれた。1993年11月にはリリースに合わせた全米ツアーを観た。その年のアル

    ニルヴァーナ『イン・ユーテロ』20周年|kentarotakahashi
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    kiku72 2017/05/15
    “2017/04/27 08:23”2015年に書かれたイン・ユーテロの記事。興味深い
  • アーチー・ベル&ザ・ドレルズ『タイトゥン・アップ』徹底解説|kentarotakahashi

    アーチー・ベル&ザ・ドレルズの「タイトゥン・アップ」は、数多くの人々に愛されてきたR&Bのダンス・ナンバーだ。オリジナル・シングルの発売は1967年の12月。アメリカでは翌年になってから大ヒットして、ポップ・チャートとR&Bチャートの両方でナンバーワンを獲得。永遠のディスコ・クラシックと言える1曲となり、その後も数多くのアーティストにカヴァーされた。日ではアーチー・ベルのオリジナルよりもYMOのカヴァー・ヴァージョン(1980年の『増殖』に収録)で知ったという人の方が多いかもしれない。 アーチー・ベル&ザ・ドレルズのアルバム『タイトゥン.アップ』は、その大ヒット・シングルをフィーチュアして、1968年の5月にリリースされた彼らのデビューLPになる。当時は日では発売されることがなく、1996年にCDで初めて日発売された。CDのライナーノーツは故桜井ユタカさんで、アーチー・ベル&ザ・ドレ

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    kiku72 2016/11/23
    この曲の魔力について たくさんカバーがあるがムーンフラワーズのが大好き https://youtu.be/8OH63HLvSiY
  • 昨夜は都内のホテルに泊まった〜PIZZICATO ONE『わたくしの二十世紀』|kentarotakahashi

    昨夜は都内のホテルに泊まった。この歳になって、ようやく分かったことの一つは、僕はホテルが嫌いだということだ。一人でホテルに泊まるのが好きな人など、そもそもいないのかもしれないが。 でも、しょっちゅう一人でホテルに泊まらねばならない仕事をしている友人は、それなりに多そうだ。僕もかつてはそうだった。人生の時間が限られているのが見えてきた今は、もう出来ない。出来る人は、これがそうは嫌いじゃないんだと思う。 ホテルの部屋でアップルミュージックで何か聞こうと思って、新譜をブラウズしたら、Pizzicato Oneが出てきたので、聞いてしまった。こんな日に「戦争は終わった」を聞いたら、どんな気持ちになるだろう?という、よこしまな思いがかすめたせいだった。 美しい意匠の凝らされた、悲しくて、寂しい音楽が次々に流れ出てきて、「戦争は終わった」に辿り着く前に、辛くて辛くて堪らなくなってしまった。今夜、僕がこ

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    kiku72 2015/07/16
    アップルミュージックが無料なうちに聴いた方がイイぞ
  • 映画『バードマン』と映画『セッション』について|kentarotakahashi

    話題の映画『セッション』と『バードマン』、両方、観てきました。この二つの映画、どちらも非常に評判が高い。日公開が同時だったこともあって、比較批評の機会も多いようです。なので、僕もそこに加わってみることにしました。 ちなみに、『セッション』に対して憤怒の酷評を与えた菊地成孔さんは「総てのジャズドラマーの方は、ワタシが私費でチケットをご用意するので必ず観て下さい」とした後、「『バードマン』という映画のチケットを同封します」と付け加えています。『セッション』という音楽家を絶望させる世紀の愚作を観た後に、「おおいなる救済」を与えてくれる傑作として、『バードマン』を挙げている訳です。 『バードマン』がこのように扱われる理由は、それがジャズ・ドラムをサウンドトラックに使っているからでしょう。『セッション』はジャズ・ドラマー志望の学生の話ですから、当然、ジャズ・ドラムが全編に登場する訳ですが、『バード

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    kiku72 2015/04/19
  • kentarotakahashi|note

    ベニー・シングスやゴンザレスのこと。アメリカ人が作れなくなったアメリカン・ミュージックをヨーロッパで作る人達がいる(2008年1月)  ハッピーで、粋な音楽がいい。年齢のせいもあるかもしれないが、近年、とみにそう思うようになった。 ベニー・シングズ。このもじゃもじゃ頭のオランダ人は、僕の中で今や、そんな音楽の筆頭だ。この2、3年、当に彼の音楽ばかり聞いている。どのくらい聞いているかというと、かつてハーバートの「アラウンド・ザ・ハウス」を聞いたのと同じくらい・・・なんて書いても自分以外には分からないか。 が、思えば「アラウンド・ザ・ハウス」(1998)と「ベニー・・・アット・ホーム」(2007)には大き

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    kiku72 2014/11/25
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