「行ってきます」「ただいま」。 毎日を過ごす家がある日「陥没」したら――。 SF小説でも遠い国の話でもありません。 いま、まさに東京のある街で起きている深刻な問題です。 ■突如現れた巨大な「穴」その原因は・・・ 新宿から電車で20分。東京・調布市は一軒家やマンションが立ち並ぶ閑静な住宅街です。市内には明治の文豪・武者小路実篤の終の棲家を改装した 「実篤公園」もあり、文学好きには知られた街ですが去年10月、住民の生活は一変しました。 住宅街の道路に突然、“巨大な穴”があいたのです。その穴は長さ約5メートル、幅約3メートルという大きさで、民家のすぐそこまで迫っていました。駆け付けた警察と報道陣、空を飛ぶヘリに街は騒然。穴を埋める作業には一晩かかりました。 人々がせわしくなく行き交う道の真下で行われていたのが、NEXCO東日本などによる「東京外環道」の高速道路を作るためのトンネル工事です。 当時