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ブックマーク / washibane.hatenablog.com (2)

  • 2023年下半期ベスト - 鷲はいまどこを飛ぶか

    今年は過去数年間のうちで、もっとも手応えをもって読書できた一年だったと思う。読みながら考え、考えながら読む。理由はおそらく、積極的に文に書き込むようになったこと、それと、メモ帳を普段から使い倒すようになったことだろう。それは書きながら読み、読みながら書く作業だ。そうして自分のなかに地図を引きながら読むうちに、書物が次の書物を導く。とくにメモを残すようになった春先からこっち、ぼくはずっと、巨きな一冊の書物を繙いているような気分だった。目の前の一冊はその紙葉に過ぎない。そしてぼくはきっと、その書物を読み終えることはできないのだろう。けれどそれでも、次のページをめくれば何が待っているのか、ぼくは読み進めたいと思うのだ。 いずれにせよそんなふうに読むものだから、これがベスト、と云う感じで総括することができない。ゆえに以下に並べる十冊は、強いて云うならもっと大きな連なりから取り出した要約のようなも

    2023年下半期ベスト - 鷲はいまどこを飛ぶか
    kiku72
    kiku72 2023/12/28
    “今年は過去数年間のうちで、もっとも手応えをもって読書できた一年だったと思う。”
  • 読書日記:2022/02/14 リディア・デイヴィス『分解する』 - 鷲はいまどこを飛ぶか

    いずれその痛みを目の先一メートルの箱の中に入ったもののように見るときが来るのだろう、どこかのショウウィンドウごしに、蓋の開いた箱の中に入ったものを見るように見るときが。それは金属の塊のように冷たく硬い。君はそれを見て、そして言う、よし、これをいただくよ、買うことにしよう。それだけのことだ。なぜなら、入っていく前からもう何もかも知っているのだから。痛みもそれの一部なのだと知っている。それでも後になって、痛みよりも喜びのほうが大きかったから、だからそれをもう一度やるとか、そんなものではない。そういうのとは違うのだ。差し引きすることなどできない、なぜなら痛みは後からやってきて、ずっと後まで続くのだから。だから当にわからないことはこうだ――なぜそれだけの痛みがあってなお、もう二度とそれをやらないと君は言わないのだろう? こんなに痛いのだからそう言って当然なのに、君はそう言わない。 短篇集と云うか

    読書日記:2022/02/14 リディア・デイヴィス『分解する』 - 鷲はいまどこを飛ぶか
    kiku72
    kiku72 2023/02/28
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