いつもより笑い合っていた気がする。 悲壮感なんて一切なかった。ふたりしてニコニコしていた。ピース。 ぼくらのこれまでのやりとりとか、関係性とか。フィルムカメラで撮った写真に全部映っていた。 手にとった封筒の名前は、遺書。手渡しをして、じっくり眺める。慎重にしまう。この先にどんな未来が待ち受けているのか、楽しみで仕方がなかった。 事の発端はある“課題”からだった。 ※※※「企画する人を世の中に増やしたい」その一心で、2015年から『企画でメシを食っていく』という連続講座をスタート。今では「企画メシ」と通称で呼んでくれる人が少しずつ増えているのがうれしい。 企画メシは、毎年5月から10月まで、隔週土曜日、半年間、全12回。各業界の第一線で活躍するゲスト講師の方による講義がある。 ただ話を聞くだけじゃない。事前に課題をもらうのだ。 ぼくと、参加する企画生(企画メシでは「受講生」のことをそう呼ぶ)
![その日ぼくらは、笑って遺書を交換した。|阿部広太郎](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/29183e0e111d1264363636434f481938d1ebe0c9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F15298091%2Frectangle_large_type_2_7ef70ba291d8e6f9306575911f0f0ce6.png%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)