【食欲(2)】 仏教で説かれる『食欲』は、 『貪欲』という煩悩の一つに数えられています。 食欲は私たちを悩ませ煩わせるものだと、釈迦は説かれているということです。 これはお釈迦様に言われるまでもなく、 人類にとって何千年にわたって最大の敵は「飢饉」だったので、 人間は、自らの持つ「食欲」が強いものであるか、 その欲のためにどれだけ苦しみ悩んでいるか、 骨身にしみて理解していました。 いつでも食べたい時に食べられ、飲みたい時に飲めたら、どんなに幸せだろう、 そうなれば食欲に煩わされることなく生きられるのに、 とどんなにこそあこがれたことでしょう。 しかしそれは叶わぬ夢でした。 ところがこの100~200年の間に劇的に事態は改善し、 現在では、世界の一部の地域を除いては、飢餓による死亡はほとんど無くなりました。 冷蔵庫を開ければ、お湯を注げば、缶詰開ければ、ビニールの封を開ければ、 お手軽に空