現代社会に潜む支配や抑圧のシステムに対して、批評的かつユーモアあふれる作品を発表している現代美術家・演出家の高嶺格氏の個展です。 高嶺はこれまで社会の大きなシステムに対して「私」を介して挑んでいる作家です。イラク戦争開戦直前の2002年には、映像作品「ゴッド・ブレス・アメリカ」でアメリカの巨大な力や支配と被支配の複雑な構造を提示しました。それから10年後にあたる2012年、3.11を経て高嶺はいよいよ自分の母国である日本に対峙します。 展覧会タイトルにある「クールジャパン」とは、日本人の優れた技術力、きめ細やかなサービス、食からアニメやマンガ、ゲームといった幅広い日本文化を海外に積極的に発信するために日本政府が掲げているブランディングのためのキーワードです。 本展で高嶺はこの「クールジャパン」のキーワードをアイロニカルに用い、戦後から現在にいたるまで日本人の無意識に働きかけてきたイメージや