毎回、ひとつのキーワードから「問題を考えつづける」ための視点を伝えます。社会学者から若い人へのメッセージ。 これまでのキーワード一覧 1986年9月、時の文部大臣が総理大臣によって罷免された。理由は、総合雑誌のインタビューにて日韓併合について、「形式的にも事実の上でも両国の合意の上に成立している。韓国側にもいくらかの責任がある」との歴史認識を発表し、内外の批判を呼んだからである。 罷免に値する由々しき事態だと社会的にも政治的にも強く認知されたわけだが、その後も1980年代後半から90年代にかけて、大臣を務める政治家の歴史認識が社会で問題視され、辞任に至るという出来事は続いた。 「白色人種がアジアを植民地にしていたのであり、だれが侵略者かと言えば白色人種だ。それが、日本だけが悪いということにされてしまった」(1988年4月、国土庁長官) 「私は南京事件というのは、あれ、でっち上げだと思う」「