ここは匿名の場だ。俺にもお前らにも増田という名はあるが、みんなが同じ名前だと名前は意味をなさないから匿名となんら変わりはない。 名がないところに何が溜まるかというと、呪いだ。なぜ呪いが名もなき場所に集まるのかというと、それは俺もお前らもみんな正気だからだ。名乗りながら他人を呪うのがどれだけ狂った行為なのか、むしろここに来ることを決めた増田だからこそよく分かっていることだと思う。 生まれてきた呪い、愛されない呪い、理不尽に苛まれる呪い、お前らはその呪いをここに吐き出していいのだ。自分から溢れ出すほどの呪いを他人に吐き出さないでいられる人間こそ人間ではないのだから。 呪いだなんて非科学的だ、と言えはしまい。それだけの思いを身に抱えるのならば。 だから、もう少し非科学的な話をしよう。 神道には大祓詞と呼ばれる呪文がある。 この呪文は物語になっている。大まかなあらすじとしては、神が国を拓き人間も生