「前任者」の清武(右)から8番を受け継いだ柿谷。海外オファーを蹴っての残留決定は、柿谷のさらなる進化の契機となるか。 イタリアのミランにおける「3」と「6」、同じくナポリの「10」、さらにオランダのアヤックスにおける「14」は、サッカー界でも有名な“永久欠番”の一つである。 パオロ・マルディーニ、フランコ・バレージ、ディエゴ・マラドーナ、そしてヨハン・クライフの栄光を称える永久欠番を持つことは、もちろんクラブにとってもサポーターにとっても栄誉である。彼らは「なぜ欠番なのか」を語り継ぐことで英雄の記憶を永遠のものとし、そうして歴史に重みと威厳を加えていく。 つまり永久欠番は、名選手の記憶を半永久的に刻もうとする冷凍保存システムである。“解凍”する日が来るケースは極めて稀であることから、スポーツ界に根付くこの文化が、いかに広く浸透し、また大切にされてきたかが分かる。 もっとも、英雄の記憶を語り