野垂れ死にした部長の墓参りをしてきた。貴重な休日を、そのような有害行事で潰したくはなかったので、部長の息子氏からの執拗な墓参り誘いに対して僕の意志が揺らぐことはなかった。亡き部長が東大に入る学力があると自慢していた息子氏は、都内Fラン大学を中退後事業を起こして失敗、現在格闘家を目指してジム通いを続ける有望な人材である。僕の鉄の意志が一転することになったのは「キャバクラおごります」という有望な息子氏の一言による。たかが墓参りに私財を投じるアホがいるとは…今思えばこのとき感じた疑念を本格化させておけば良かったのである。後悔先に立たず。僕はいろいろなものが立たない。 誰からも惜しまれずに自称寿退社した後、蒲田→足立区→戸越と流浪の末行き倒れ、帰らぬ人となった部長。家族から縁を切られ無縁仏となったはずの部長が、どのような経緯で墓に入居できるようになったのか…全く興味がわかなかったのであえて聞かなか