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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (7)

  • 『永遠の0』の何が問題なのか?

    先月に一時帰国した際、評判の映画『永遠の0』を観ました。また、小説も評判であるというのでこちらも読みました。どちらもプロの仕事であると思います。技術的に言えば、ストーリー・テリング(物語の展開)だけでなく、セッティングやキャラクターの造形、そして何よりも時空を超えた大勢のキャラクターが、物語の進行とともに「変化していく」効果が見事です。 キャラクターの「変化」というのは、「成長」したり「相互に和解」したり、あるいはキャラクターに「秘められていた謎」が明かされたりしてゆくという意味です。そうした効果を、時空を超えた複数のキャラクターを使って、しかも2000年代と第二次大戦期という2つの時間軸の中で実現している、そのテクニカルな達成はハイレベルだと思います。 更に言えば、老若男女の広範な層にまたがる読者あるいは観客は、多くのキャラクターの中から自分の感情を投影する対象を見出すことができるように

    『永遠の0』の何が問題なのか?
    kina
    kina 2014/02/07
  • 31歳で世を去った『Glee』主役、コリー・モンティスの悲劇

    人気絶頂の中での芸能人が急死ということでは、ここ数年で言えば、マイケル・ジャクソンであるとかヒース・レジャーの例があるわけですが、7月13日のバンクーバーにおけるコリー・モンティスの死というのは、その悲しさという点では突き抜けていると思います。 コリー・モンティスの出世作であり、代表作となったミュージカルTVドラマ『Glee』については、日でも放映されていますのでご存知の方も多いと思いますが、2009年から現在にかけて全米で最も成功したドラマと言って良く、社会現象になっているという言い方もできると思います。 舞台は、オハイオ州にある架空の高校の「合唱部(グリークラブ)」です。この「グリークラブ」というのは、クラッシックや唱歌、聖歌などを歌う「合唱団(クワイヤ)」ではなく、どちらかと言えば、ミュージカルやポップのナンバーを歌って踊るものです。 お話は、そのグリークラブが、メンバーが身体障害

  • 少子化問題その根源を問う(第6回)

    このブログで批判した「国家戦略室」のレポート「フロンティア分科会報告書(案)」で私が驚いたのは、少子化問題と闘う姿勢の欠如です。その一方で「女性の雇用による経済成長」は強く押し出しているので、このままでは家庭生活を軽視した企業の人事制度が放置されたままで、女性の社会進出だけが進行する、その結果として少子化が更に深刻化する危険があるように思います。 企業の人事制度が家庭や育児に悪影響を与えている、その最たるものは単身赴任制度でしょう。欧米でも中国圏でも見られないこの「反家庭、反育児」カルチャーの象徴というべき制度ですが、まず1980年代に格化した「クラシック」な方を整理しておくことにします。 この「クラシック」な単身赴任というのは、フルタイムで管理職もしくは管理職候補の男性が、専業主婦のと子供を残して一定期間だけ単身赴任するというものです。70年代までは転勤族といって、必ず家族を連れて赴

    kina
    kina 2012/07/24
    ネオ単身赴任
  • 台風、ハリケーンと防災体制における「効率」の問題

    まず、今回の台風4号で被害や影響を受けた皆さまにお見舞いを申し上げます。 さて、アメリカでは台風ではなくハリケーンになるわけですが、私の住むニュージャージー州では数年に一度はハリケーンの上陸があります。また、個人的な経験としてはフロリダ州に行っていた時にハリケーンの直撃を受けたことも数度あります。そうしたアメリカでのハリケーン経験の中では、アメリカの良くない部分を見せつけられたこともあります。 例えば、フロリダでは収入源となる観光地はハリケーン通過後に、ものすごいスピードで後片付けとインフラ復旧がされていました。一方で、その観光地に勤務するような、地元の人々の居住エリアでは1週間経っても電気も水道も復旧しないわけで、地域経済という意味での優先順位の付け方には納得させられつつも、その格差には違和感を感じました。 また、ニュージャージーの場合は、ハリケーンの後の増水でラリタン川という主要河川が

  • アメリカの宗教保守派と、日本の「夫婦別姓反対論」の異なる点とは?

    アメリカの宗教保守派は妊娠中絶反対に異常にこだわっているわけですが、その背後にはヨーロッパやアジアと結託して稼いでいる東北部やカリフォルニアのリベラルへの反感があるわけです。中絶問題だけでなく、例えば同性婚への反発や、進化論への反対なども同じことです。 どうして21世紀の今日に「進化論否定」なのか、どうして同性婚の合法化にあそこまで反対するのかというのは、文字通りの信念と言うよりも、それだけ宗教保守派の中には「グローバリズムから置き去りに」され「価値観として見下された」ことへの怨念が強いと理解すべきでしょう。 では、こうしたアメリカの保守派が持っている社会価値観の背景にある心情は、日の同種の主張を理解する上で手助けになるのでしょうか? 例えば、日の場合ですと「夫婦別姓論」への反対論というのがあるわけですが、別姓にするかどうかは、その夫婦当人二人の勝手であるわけです。にも関わらず「絶対反

    kina
    kina 2012/02/29
  • JR北海道、積み重なった悲劇に打開策はあるのか?

    私の住んでいるアメリカ東部のニュージャージーは、アメリカの中では特に鉄道との縁が深い地域です。私の町の最寄り駅には、アムトラックの特急が一部停車しますし、ニューヨークとの間には第三セクターの通勤電車がアメリカでは珍しい通勤の足として確立しています。それだけではありません。このアメリカ東北部のニュージャージーからペンシルベニアという地域は、19世紀から20世紀にかけて、世界で最も先進的な鉄道システムが栄華を極めた場所だからです。 その栄華を極めた会社は、ペンシルベニア鉄道(PRR)といって最盛期には総延長1万6000キロ、従業員25万人を擁しただけでなく、米国の経済史に燦然と輝く100年連続配当継続という記録を達成した超優良企業でもありました。ですが、そのPRRという会社は今は影も形もありません。全国を結んだ高速道路網と航空航路に押され1968年という時期に時代の彼方に消えていったのです。

  • 「フジ子・ヘミング現象」の何が問題なのか?

    ピアニストのフジ子・ヘミング女史のリサイタルを聞く機会がありました。場所は、ニューヨークのリンカーンセンター内のアリス・タリー・ホール。東日大震災のチャリティーという主旨もあって、多くの聴衆が集まっていました。その聴衆ですが、ザッと見渡したところ95%は日人のようで、場内のアナウンスも日語だけであったり、在米日人コミュニティーのイベントということは明らかでした。改めて日でのフジ子人気の凄さを感じさせられました。 リサイタルの内容ですが、一部で言われているような「超スローテンポ+旋律の濃厚な味付け」のユニークな演奏というのではなく、端正でロマンチックな普通の演奏でした。確かにテンポに変化をつける部分はありましたが、一小節内のリズムは良くも悪くもメトロノームを刻むような正確さがあり、節度を崩した演奏という印象はありませんでした。 メカニックにしても解釈にしても最近のピアノ界の様々な「

    kina
    kina 2011/09/28
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