彼女とは言いたいことを言い合える関係を築けていたし、事前に不満は溜め込まずすぐに伝えることを念入りに確認し合ったので、共同生活はどうにでもなるだろうと舐めてかかっていたのだけれど、そんなことはまったくなかった。 一番大変だったのは彼女が仕事から疲れて帰ってくると私の家事上のミス(帰宅後の内鍵のかけ忘れ、カーテンの閉め忘れなど)について激怒し始めることだった。料理をして洗濯物をたたんで、それでも何か不手際があると怒られる。慣れない家事でミスをゼロにするように気を配るのは大変なストレスで、一時期は神経が衰弱し切っていた。 理想を言えば「家事上のミスについては改善しようと努力しているけれど、自分は今までほとんど家事をしてこなかった人間なのでどうしても最初のうちはミスが生じてしまうし、一々恫喝されていたのでは恐怖で委縮して出来ることも出来なくなってしまう。冷静に問題点を指摘して欲しい」という趣旨の