<今後は新興国・途上国こそがインターネットの中心になる、と伊藤亜聖『デジタル化する新興国』。新興国のデジタル化はもはやニッチなテーマではなく、そのケタ違いの可能性とリスク、どのような影響があるかを知る必要があるという> デジタル化、デジタル・トランスフォーメーション(DX)、デジタル庁......新聞や雑誌を見ても、本屋の売り場を眺めても、最近では「デジタル」に関する話題であふれかえっている。 デジタル化の潮流に取り残されていた感のある日本だが、新型コロナウイルスの流行で危機感に火が着いたというところだろうか。 あふれかえるデジタルに関する記事や書籍だが、そのほとんどは日本が、日本企業がどうデジタル化に取り組むべきかという話だ。海外の話は模範とすべき欧米の先進国の事例がほとんどで、その隙間に、「異形のデジタル大国」として注目を集める中国がわずかながら織り込まれているぐらいだろう。 だが、世
