『中国S級B級論 ―発展途上と最先端が混在する国』(高口康太:編著、伊藤亜聖、水彩画、山谷剛史、田中信彦:著/さくら舎) 「中国人は日本に行けば、平均的な日本人に出会える。日本人が中国に来ても、平均的な中国人には出会えない。なぜなら平均的な中国人が存在しないからだ」 これは著者のひとりが中国で出会った学生に言われたことだという。中国は“S級”(先進性)と“B級”(後進性)が共存しており、世界でも所得格差の大きい国である。その暮らしはばらつきが見られるため、平均的な中国人が存在しないというわけだ。 『中国S級B級論 ―発展途上と最先端が混在する国』(高口康太:編著、伊藤亜聖、水彩画、山谷剛史、田中信彦:著/さくら舎)は、日本とは違う形で発展を遂げる中国の今を描き出す1冊である。 中国は結局、進んでいるのか、貧しいのか? 中国は日本よりはるかに進んだキャッシュレス社会であるし、最新のテクノロジ