<社会のための行動がひいては個人の幸福につながる──日本の国民や社会は感染予防に積極的に協力するものだと思っていたが> 日本で新型コロナウイルスの影響が出始めて随分たつ。近隣国に発生源の中国があるため、欧米よりもずっと早い1月末から懸念が報道されてきた。だが私はこれまで日本人のコロナ対応を見て、その危機感のなさと社会貢献意識の低さに少し啞然としている。 まず始まりは、企業のテレワーク推進と学校休校からだった。 感染を広げないために企業は社員に家で仕事をさせよう、休校のため家にいる子どもの世話をする保護者を支えよう、子どもをなるべく家に居させよう──。社会のための行動、それがひいては個人の幸福につながると思えれば、企業や社会は積極的に協力するはずだ。 だが残念ながらそうはならなかった。企業はテレワークを渋り、働く親は子どもを学童保育や保育園に預ける。テレワーク中の親も子どもが家にいるのは負担
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