「表現の自由」と「政治」 現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ2019」で議論を呼んだ表現の自由。昭和天皇の写真を燃やす映像や、慰安婦を想起させる少女像などが展示に含まれていたことから、撤去を求める抗議や脅迫やテロ予告が相次ぎ、安全措置としてわずか3日で中止となった一連の出来事は、まだ記憶に新しい。 その後、展示は再開したものの、この一件で「表現の自由」と「政治」をめぐる日本の現状が浮かび上がった。国際芸術祭の中の一展示であるとはいえ、わずか3日で展示中止になったことは、文化史に残る事件といえる。 騒動の背景には行政の検閲ともいえる発言がある。名古屋市長による「日本人の心を踏みにじるようなもの」という発言だ。また、文化庁の「あいちトリエンナーレ」への補助金不交付の決定も大きな議論を呼んだ。