「建築夜学校2009 データ、プロセス、ローカリティ、設計プロセスから地域のアイデンティティを考える」 非常に素晴らしいイベントだったのだが、ツイッターでの実況もあり、内容はいくつかレポートもあるので、ここではこのシンポジウムを藤村龍至氏が設計(デザイン)したひとつの作品として読み解くという、いささかアクロバットではあるがそのような方法を試みてみたいと思う。もちろんシンポジウムは誰かが設計したひとつの作品では決してない。しかしそれなら建築はどうだろうか。建築も誰かが作ったひとつの作品ではないと言う意見は大いにありうる。だからここではひとつの建築を作品として論じるのと同じように、ひとつのシンポジウムを作品として論じてみたいのだ。そして今回このようなことを試みなければならないのは、建築学会の学会誌である「 建築雑誌」で特集が組まれていながら、その中身は各論者の批判的なことのみが掲載されるという