昨今発表される自動車に、自動ブレーキが装着されるケースが珍しくない。車線を逸脱しないような機能を備えた車種も増えてきた。2020年ごろには自動運転時代が到来するという見方も強まっている。自動運転可能な自動車、いわゆる自動運転車は有望な市場を創出すると期待されており、自動車関連企業のみならず、IT企業をも巻き込んだ開発競争が国内外で激しさを増してきた。 日本の自動車メーカーの世界シェアは国別で世界最大であり、自動車産業は日本を支える重要な柱だ。果たして、自動運転車時代が到来しても、日本は高い競争力を誇っていることができるのであろうか。 特許庁は、「平成25年度特許出願技術動向調査」において、自動運転車に関わる国内外の特許や論文を調査し、技術発展状況、研究開発状況、日本および外国の技術競争力、産業競争力を明らかにした注1)。その上で、日本企業および政府機関が取り組むべき課題や今後目指すべき研究