地球上の多くの生物は、オスとメスに分かれており有性生殖を行う。このことは多様性を生み出すことに貢献しているが、いっぽうでそれによるコストも存在する。そのため、一部の生物では雌雄同体もしくは性転換などによってそのコストを減らしている。しかし、多くの生物ではオスはオスの、メスはメスの役割しかできない。なぜこのようなシステムになっているかを説明する仮説の1つに、オスどうしが争うことで種の改善を図る、というものがある。この仮説を確かめるため、イースト・アングリア大学の研究者チームがゴミムシダマシ科の甲虫を10年にわたり交配・観察したという(WIRED)。 その結果、性淘汰が強かった集団はより強い耐性を獲得したいっぽう、弱かった集団はより耐性がなく、10世代の間にすべて絶滅したという。ここから、オスの競争は種の遺伝的優位性を保つために必要不可欠だといえることが分かったという。