カメラを使って現場で働く人の動きを捉え、ムダを見える化する─。日本の製造業では古くから利用されてきたカイゼン手法だが、いまなお健在だ。現場の様子を撮影し、再生映像を見ながら作業時間や作業手順を洗い出していく。有用ではあるが、膨大な時間と手間がかかることを覚悟しなくてはいけない。 だが、いまや画像解析技術が急速に進歩し、手作業をITで置き換えられるようになった。作業時間はもちろん、作業手順まで自動でデータ化できる。 さらに、カメラ自体も進化した。単に映像を撮影するだけではなく、人の関節の位置などまで見通す機能を備える端末となった。 進化するカメラとITシステムが実現する最新の動線分析とはいかなるものか。1つの生産ラインに合計34台ものカメラを設置し、人やモノの動きを捉えている化学メーカーのダイセルの取り組みをみていこう。 ダイセルの播磨工場で生産する自動車用のエアバックを膨らませる装置「イン
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