鹿児島県阿久根市の竹原信一市長の意向で掲示された人件費の張り紙をはがし、懲戒免職処分を受けた元市職員の男性が26日、処分は裁量権の乱用だとして、市に取り消しを求める訴訟を鹿児島地裁に起こした。 男性は記者会見を開き「免職に値するような行為でなく、処分は不当」と訴えた。代理人弁護士は「張り紙はパワハラの象徴。明らかに間違っている」と話した。 訴状によると、張り紙は4月、庁舎内各課などの入り口付近に張り出され、2007年度の部署ごとの人数と人件費総額が記載されていた。職員らは「萎縮(いしゅく)させ、職場環境を悪化させる」と感じたといい、男性は張り紙計16枚をはがし、7月末に懲戒免職処分を受けた。 提訴について竹原市長は、取材に「首長の命令を否定した職員は首になって当たり前。民間でも同じことでしょう」と話し、争う意向を示した。 【関連ニュース】 ・ 警部、部下の飲酒運転隠す=報告受け