機械学習の国際学会「ICML2017」で日本勢は全体の2・5%の発表数しか獲得できなかった。その8割を理化学研究所の革新知能統合研究センター(AIPセンター)の研究者が占める。米グーグルなど米IT企業優位の構造は覆せるのか、AIPセンターの杉山将センター長に聞いた。 ―画像認識や音声など応用側でない基礎領域が注目される背景は何ですか。 「画像や音声など応用側の学会も盛況だ。基礎が着目されているのは学習理論が人工知能(AI)の根幹を支えているためだ。限られたデータ、偏ったデータでも機械学習できるようになると、これまで不可能だった応用への道が開ける。影響範囲は極めて広いため、理論研究者を抱える会社は多い。その最高峰の国際学会となれば注目されるのも当然だ」 ―米IT企業がこぞって発表します。技術漏えいの懸念は。 「ICMLで発表するころには新しいアルゴリズムを社内で応用につなげている。発表を聞い