初めての挫折 3月6日、月曜日。 国公立大学・前期日程の合格発表日。 午前10時、合格者の番号が大学構内に掲示されるその15分前に、私が運転する車は大学に到着した。助手席から降りた長男は緊張の面持ちで深呼吸をする。 長男の受験番号を教えてもらい、メモする。一緒に見に行くか? と訊くと「一人で見に行きたい」と長男。もし僕が受験番号の掲示板をスマホで撮影し始めたら、番号があったと思っていいよ。 大学関係者が大きな板を抱えて登場し、広場の一角に設置する。その前に受験生や保護者たちが一斉に群がった。長男は掲示板のほうに行き、私はその場から動かず長男の行方を目で追う。 群衆の中から「あった!」「受かった!」「やったー!」という喜びの声が拡がり始める。歓喜の声はボリュームが次第に大きくなり、雄叫びをあげる男の子もいれば、黄色い悲鳴をあげる女の子もいる。 長男を見失ってしまった。どこにいるのか分からない
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