2019年冬、長崎県にある大村入国管理センターを訪れた。収容長期化が問題となり、同年6月に収容中のナイジェリア人男性がハンガーストライキ(ハンスト)を行い餓死した施設だ。男性の死後、施設内ではハンストを行う収容者が相次いだ。彼らはどんな人たちなのか。ボランティアで収容者の見守りを続ける地元カトリック教会の川田邦弘さん(67)の案内で初めて足を踏み入れると、先の見えない収容生活に絶望しきった外国人たちがいた。【東京社会部・竹内麻子】 多国籍、共通語は「日本語」 面会時間は1人につき30分。面会室の壁は白く、机を挟んで椅子が二つずつ置かれている。向こう側とは小さな穴が開いたアクリル板で仕切られており、刑務所や拘置所の面会室のようだ。収容者は奥のドアから入管職員に連れられて部屋に入り、職員は後方の椅子に座って面会に立ち会う。持ち込めるのはノートやペン、書類のみ。録音は禁じられている。面会終了が近
在留資格がないために退去強制命令を受け、入管施設に収容された非正規滞在の外国人の半数が、事情を抱えて帰国できないまま日本での滞在も許されず、拘束が長期化している。抗議のハンガーストライキが相次ぎ、政府の有識者会議が解決策を検討しているが、「非人道的」とする批判との溝は残る。 国外退去を命じられた外国人を一時的に収容する長崎県大村市の大村入国管理センター。2019年6月24日、ナイジェリア国籍の40代男性、サニーさんが餓死した。3年半に及ぶ収容に耐えかね、ハンストを続けていた。 「体を見てくれ!」。収容者の話を聞くボランティアの立石清二さん(70)は、痩せ細ったサニーさんの姿が忘れられない。危ない状態の人がいると聞いて訪ねると、面会室に現れるなり、入管職員の制止を振り切ってジャージーを脱ぎ捨てた。下着1枚になると、骨と皮ばかり。「いつ出られるか分からない。命をかけて抗議している」。亡くなる1
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