記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 「その仕事、まだ終わらないの?」という部下への小言。あるいは「早く片づけなさい」という子どもへの叱責――。誰かを叱った経験をもつ方は多いだろう。が、この「叱る」という行為の効果は実は限定的で弊害が大きいのだという。 本書「<叱る依存>がとまらない」は、なぜ人は叱るのか、さらに叱るという行為が持つ依存性などについて脳科学の見地から紹介している。叱らずにいられない個人や教育現場、社会に警鐘を鳴らす。著者の村中直人氏は臨床心理士・公認心理師で、一般社団法人子ども・青少年育成支援協会代表理事などを務める。 ■叱ることで満たされる「欲求」 昨今、パワハラや家庭内暴力、運動部の体罰など「叱る」にまつわる否定的な声は多い。しかし、心の底では「叱られてこそ強くなる」「叱らなければ勝てない」など