NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』が終わった。素晴らしい朝ドラで、当分余韻が消えそうもない。本作は、東日本大震災から10年の節目に震災後の東北を描いたドラマでもあり、そこにはさまざまな困難もあっただろう。 しかし「非当事者がいかに震災後の東北に向き合えるか」は、まさにこのドラマが問いかけたテーマそのものだったのではないだろうか。ここではヒロインのモネがその問いにどう答えたのかを中心に、改めて『おかえりモネ』を振り返っておきたい。 これまでにない「無力なヒロイン」 モネ(清原果耶)はわかりにくいヒロインである。少なくとも従来の元気で明るい優等生的なヒロインとは一線を画す。考え込むシーンも多く、元気はつらつというよりは、むしろ悩み多きヒロインだったと言えるだろう。というのも、モネはわだかまりを抱えた人物として登場するからだ。 モネは東日本大震災の当日、たまたま父の耕治(内野聖陽)と高校の合格
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