2007年、MUCCがGUNS N’ ROSESのオープニングアクトを務めたとき、演奏中にも関わらず罵声が飛び交った。「ヘタクソー!」「帰れー!!」──そのあまりにも酷い光景を見かねて、次第に「頑張れー!!」という声援も送られた。そんな周回遅れのマラソンランナー状態のステージであったが、さらに「アクセル・ローズ会場未到着」という最悪の事態が起こり、一度終わって退場したにも関わらず時間調整のため再びステージに戻って演奏する、という散々なオープニングアクトだった。プライドを木っ端微塵にされたあのステージで彼らは何を思ったのだろうか。 そんな姿を見ていたからこそ、前回取り上げ、本稿を書く衝動に駆られた逹瑯の「いつからヴィジュアル系はカッコ悪いとされるようになったんだろう」という発言にとてつもないほどの重みを感じたのだ。今のMUCCは強い。オーディエンスの士気を煽動するのが本当にうまい。ライブを盛