マスク生活から解放され、肌を再び露出するようになった2023年、肌のケアやメイクへの感心が高まり、さらにはインバウンド需要も回復の兆しにあることから、国内化粧品市場は回復基調が鮮明になっている。とはいえ、パンデミックに襲われる以前の2019年度と比較すれば、復活の途上といえる段階である。大手化粧品会社がブランドの一部を切り売りするような美容界の不況時代に、すさまじい勢いで成長を遂げているのがシロの自社コスメティックブランド「SHIRO」だ。 負債額2億円。北海道の土産物製造メーカーからスタート 美容感度の高い層からジェンダー問わず支持され、表参道の本店や化粧品の“聖地”として知られる伊勢丹新宿店のSHIROの売り場では、コスメを求める人でつねにごったがえしている。 一見、都会的な印象だが、製造の拠点は、北海道の札幌市から80㎞ほど離れた道央地方の小さなまち、砂川。先代の創業当初は土産物の製