ブックマーク / salon.mainichi-kotoba.jp (3)

  • 消化管の中は「体内」か「体外」か

    鳥にべられて分布を広げる昆虫。卵が「鳥の体内で移動」とありましたが、学問的に消化管の中は「体外」とされることがあります。生物学の研究に関する原稿で、卵は消化されて鳥の体内に入ってしまうと生き延びられないため、厳密に表記した方が良いのではと提案しました。 同意を得て「鳥に運ばれて移動」と修正しました。 消化管の中は体外であるという捉え方については、「『ちくわの穴』は、『ちくわ』ではない」という説明がイメージしやすいでしょうか。体の外から物が入り、排出される一の管であると考えられるためです。 関連記事:人体は「ちくわ」 消化管の中は体の外(毎日新聞医療プレミア)

    消化管の中は「体内」か「体外」か
  • 「天祐」か「天佑」か――芥川賞受賞会見をめぐり

    先日の芥川賞受賞記者会見で市川沙央さんは「我に天ユウあり」と語りました。このユウが新聞社により「天佑」と「天祐」に分かれました。辞書では併記され、どちらも間違いではありませんが、どう違うのでしょう。そして市川さんが指弾した「傲慢」とは? 毎日新聞は「天祐」と書いたが… 「非常にうれしく、我に天祐(てんゆう)ありと感じています」 7月19日に発表された芥川賞を受賞した市川沙央さんの記者会見で、毎日新聞はこう報じました。 「天祐」とは「天の助け」のことですが、同じ意味・同じ読みで「天佑」があります。辞書では大抵【天佑・天祐】とひとまとめにしています。 しゃべり言葉を文字にする際、表記が複数あると、どちらが適切かという問題にぶちあたります。たとえば一方が常用漢字でないなら問題なく常用漢字を選びます。しかし「佑」も「祐」も常用漢字ではありません。かといって、一部報道機関が出していましたが「天ゆう」

    「天祐」か「天佑」か――芥川賞受賞会見をめぐり
  • 「なぜ新聞は閉じカッコの前に句点を付けないのか。」

    教科書では、カギかっこ(「 」)の中でも文の終わりに当たるところには句点(。)を打っているのに、新聞では閉じかっこの直前に句点を付けていないのはなぜか、というお尋ねをいただいたことがあります。 「小学国語2下」(教育出版)の「ないた赤おに」より このご指摘はその通りで、行政の公用文や教科書などはカギかっこの中でも文の終止に句点を打つのが標準とされています。これは、1946年3月に当時の文部省教科書局調査課国語調査室で作成した「くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)」という文書にのっとったものです。表題に「(案)」とありますように、この文書は内閣告示のような正式文書になりませんでした。しかし、句読点に関する公式機関の文書がこれ以外にほぼなかったため、「(案)」のままでいろいろな資料に収録されていて、現在もこれに準拠していることが多いのです。 さて、このような文書があるにもかかわらず、新聞が閉じか

    「なぜ新聞は閉じカッコの前に句点を付けないのか。」
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