My Alternative Photography Diary
湿板写真をご存じだろうか。日本史の教科書で、坂本龍馬が台に寄りかかった写真を見たことがあるだろう。あれが湿板写真だ。ガラス板に薬品を塗り、それが乾くまでに撮影を終えなければならない。ずいぶんと手間のかかる古典撮影技法だが、デジタルはむろん、銀塩フィルムよりも遙かにレトロな写りが今あえて新鮮だ。JR日暮里駅から歩くこと数分、谷中の路地裏にひっそりと、湿板写真を撮ってくれるスタジオがオープンした。 カメラマンの和田高広氏が手がける「湿板寫眞館」は、古典技法と現代の技術を組み合わせ、商業レベルの湿板写真館としてオープンした。近年、湿板写真で作品づくりをしている写真家がジワジワと増えている。しかし、商業写真館として湿板でポートレートを撮ってくれるスタジオは、和田高広氏の湿板寫眞館がほぼ唯一だという。今回は筆者が被写体となり、湿板写真を体験してみた。 体験レポートの前に、湿板写真の歴史的な位置づけを
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