電源を入れてシャッターを切れば、写真が撮れてしまう時代になりました。道具の進歩はカメラばかりではなく、洗濯機なら脱水から乾燥まで勝手にやってくれますし、材料を入れてボタンを押せば料理ができあがる便利な調理器具もあります。もちろん人の負担が減るのは大歓迎ですが、その行為を趣味として楽しんだり、技術を磨こうという意志があるなら、便利すぎる道具も考えものでしょう。フードプロセッサーを使っている限り、みじん切りが上手くなるわけはないですよね。 さて写真の腕前を上げたいと思うとき、もっと写真というものを理解したいと思うとき、取り組むべきことは何でしょう。それはやはり、絞りとシャッタースピードを決めること、すなわち「露出」ではないでしょうか。キホンのキホンでありながら、突き詰めていくと厄介なテーマです。強力なガイドである「露出計」を片手に、なるべく難しくならない範囲で、チャレンジしてみたいと思います。