ハーバード・ビジネス・レビュー編集部がおすすめの経営書を紹介する連載。第83回はレピュテーション(評価)研究の第一人者、ルパート・ヤンガー氏らによる『評価の経済学』を紹介する。 SNSの影響力の大きさが取沙汰されて久しい。故意にせよそうでないにせよ、炎上事件はそこかしこで起き、世の注目を集める。一方、根も葉もない噂が一人歩きを始め、何年経っても蒸し返されるという恐ろしい事態も起きている。日々アップデートされる技術をもってすれば、画像加工も音声加工もかなりの完成度となっており、火のないところに煙は立たぬ、とはもはや言えなくなっている。 これは、個人に限った話ではない。企業もまた、こうした現象を無視できない状況にある。なぜなら、ネガティブな評価は顧客からの信頼をいともたやすく揺るがすからだ。それが会社全体の信頼度やブランドに影響を及ぼす。本書の前書きでも紹介されているように、株価の70~80%