失敗と聞くと、どういったイメージを思い浮かべるでしょうか。何となく、嫌なもののような気がしますよね。出来れば失敗のない、平穏無事な人生を送っていきたいとか、失敗すると自分にとって大きなマイナスになりかねないとか、そういった考えを持つことはごく普通のことだと思います。そんな何かと“負”のイメージを持つ失敗の概念を根底から覆した本書が、私にとってかけがえのない1冊となったのにはある出来事がありました。 生まれてこのかた、まだ20年ほどの人生しか歩んでいない私ですが、失敗の話題には事欠きません。決して誇るべきことではないのですが、そんな私にとって最も記憶に残る大失敗についてまずは触れておきたいと思います。 忘れもしない高校二年生の冬。化学の授業での実験中、それは起こってしまいました。化学薬品の入れ忘れという些細なミスを私は犯してしまったのです。その結果、目の前のビーカーは大爆発! 爆発の衝撃波で